市場の動きを知るには、「EC化率」が参考になる。EC(電子商取引)が活発かどうか、つまり、ネット購入の割合を調べれば分かる。
EC化率 = ECの総額 ÷ 取引の総額
(EC化率が高い:ネット販売が進んでいる)
(EC化率が低い:実店舗の売買が主流である)
米国eMarketerの調査によれば、現在、世界のEC化率は2022年度で平均19.3%。世界では5件に1件がネットで購入されていることになる。しかも、下のグラフは、EC市場が毎年1%ずつ拡大していくことを物語っている。
日本ではどうであろうか。経済産業省の調査(2023.9)によれば、現在、日本のEC化率は2022年度で9.13%。日本では10件に1件はネットで購入している。そして毎年さらに0.5%ぐらい伸びている。しかし、先ほどの世界レベル(19.3%)と比べると、日本は一見してEC化が遅れているように思える。
しかし、米国eMarketerのデータ数値には裏がある。
2022年の国別EC市場シェアを見ると、日本のEC市場シェアは、世界でなんと4位である。
1位:中国
2位:米国
3位:イギリス
4位:日本
5位:韓国
図を見ると、世界のEC化率を中国が圧倒的に押し上げていることが分かる。それはなぜか。コロナ禍の影響が大きい。マスク、ゴーグル、防護服、洗剤、消毒液、ビタミン、高級掃除機、空気洗浄機…これらはネットで注文が殺到し、需要が10倍にも200倍にも膨れ上がったアイテムである。都市が長期的に閉鎖されていたことも大きい。中国は実店舗よりもEC販売を信じるようになった。コロナが中国のEC化率の上昇に急激に拍車をかけたことは否めない。
各国でコロナがEC化に影響を受けたことは大なり小なりある。しかし、経済産業省のグラフを見る限り、日本は着実にEC化の道を歩んでいる。日本のネット市場にはビジネスチャンスがある。日本のネット販売の未来は、他国よりも明るい。安定した市場でEC化、デジタル化が拡大している。そこに投資すれば確実な未来が手に入る。世界中のビジネスマンや投資家、ビッグ企業が、日本のEC市場やデジタル化に関心を示している。
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